山口会員による寄稿:「足るを知る」

~人生100歳時代をどう生きるか~

中尾哲雄先生のご講演をお聴きして

この壮大なテーマを、限られた時間にもかかわらず、情感あふれる語り口でお話しくださった中尾先生、ありがとうございました!

何ごとも「ウソだろ、そんなわけないよね」という考えグセのある私でも、毎回、中尾先生のお話をお聴きすると、小学生のように素直な気持ちになれるのはどうしてでしょうか。

威厳とおごりが同居していない、そこはかと醸し出されるやさしさ、ユーモア、私の心の中に人間スフィンクスの如くどっしりと居据わっているようです。

<65歳以上でないと入社できない会社をつくる>

この発想にもビックリ仰天しています。みんな平社員、出退社自由、選考基準は自己PRと健康診断のみ?入社式はあっても永年勤続表彰はきっとないよな~。何だかワクワクしてきました。ぜひその一期生にもぐりこみたいと思っていますが、果たして自分に何ができるのかと考えています。

<人間的魅力~心香る人になる>

心香る人になるには遠く及びませんが、人間的魅力を考えてみました。

白洲次郎氏のようなロマンスグレーのジェントルマン、御年77歳とは思えない国民的大女優の吉永小百合さん、そんな素敵な老人になんてなれるわけはないのが現実。

テリー伊藤氏の著書『老後論』~「この期に及んでまだ幸せになりたいか?」を思わず手に取りました。現役のときもほどほどに幸せだったくせに、リタイアしてからもっと幸せになろうというのは潔くなくてカッコ悪いと、テリーさんは書いています。

<人生のあり方~設計をし直す>

放っておいても人間は歳とともに成長する、なんて言葉は信じないほうがいいのかもしれない。逆に、歳をとると良からぬ不純物みたいなものが溜まってしまうことに気をつけたほうがいいのかもしれない。車のエンジンオイルと一緒。経年劣化には、十分な注意と定期点検が必要。などと考える私がいました。

中尾先生からいただいた「反省、感動、感激」という言葉を忘れず、自分自身の定期点検を行い、自分にとって意味のある仕事をしていきたいと心から願っています。

そして、「比較三原則」(註・マイブームのみうらじゅんの造語。「親兄弟・他人・過去の自分、この三者を比較しないこと」)を基本方針にして、願わくば、お婆さんではなく、歳を重ねた優しいお姉さんを目指したいと思います。

2022年8月

山口秀子

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