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『働かないおじさん問題のトリセツ』 シリーズ書評
柳原正年 富山社会人大楽塾 リポートシリーズ その②
1章「働かないおじさん問題とは何か」
(書籍からの引用部分に加え、大楽塾のコメントを添えていますのでご了承ください。)
近年、社会問題になっている「働かないおじさん」と呼ばれている人の多くは「真面目でコツコツ働く人」です。
読者が想像する「働かないおじさん」のイメージ(さぼりスタイル)とは違います。
今時そんな人はほとんどいません。露骨に仕事の手を抜く人が、のんびり生きられるほど今の企業を取り巻く環境は甘くないからです。
なぜそうなってしまうのか。
その理由は、ビジネスを取り巻く環境が移り変わり、会社が本人に求める働き方や成果が劇的に変化する中で、様々な原因が複雑に絡んで、本人が今まで通り「真面目にコツコツ働いているにもかかわらず、生産性の低下や会社側の期待とのギャップを招いていることが多いようです。
現在の「働かないおじさん問題」は、従来の「サボリーマン」「本人が悪い」という認識ではとらえられません。
少子高齢化社会、人生100年時代、70歳就業社会と言われ、現在、本人・上司・人事・会社・社会が、真剣に向き合う問題だと考えています。
「働かないおじさん問題」が深刻化するにつれ、人事コンサルタントへ多くの企業から相談が寄せられています。
ミドルシニアと呼ばれる40代・50代社員の活性化について、経営者・人事・上司・本人とヒアリングさせていただくと違和感があります。
「悪いのは部下本人で、会社や人事や上司には何の問題も落ち度もない」という姿勢の企業があるからです。
この問題は、ことわざにヒントがあります。
「馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない」
馬は無理やり水辺に連れ出すことはできても、飲むことまでは強制できません。
馬が自発的に飲もうとしない限り水を飲ませることはできないのです。
「働かないおじさん問題」の解決には、この「ことわざ」にある「外発的動機付け」「内発的動機付け」がヒントになります。
以下大楽塾からのコメントです。
大楽塾では、この問題は、昭和おじさん社会「金太郎飴型同質社会」の終焉に伴う社会現象、そしてデジタル革命社会移行による新しいキャリアシフト(桃太郎型・異能人材活躍社会の幕開け)現象としてとらえています。
「キャリアネットワーク北陸」の存在価値は、人生100年時代へのライフシフトを個人のウエルビーイングの視点から支援することにあり、デジタル革命対応の最先端のネットワークであることを期待しています。
すなわち馬に無理に水を飲ませるのではなく、「馬に水を飲ませるように仕向けよ。」
そのためには、馬の周りを温めて体温を上げ、「水を欲しがるように仕向けよ」の原則で、キャリア支援していくことが重要です。
会員の皆様が、「キャリアネットワーク北陸」のご縁で、人生の「チャンスの神様」をゲットできることを願っています。
柳原 正年
キャリアネットワーク北陸 参与
富山社会人大楽塾 代表