経田会員ブログ「好きなことでボランティア①」 絵本セラピーを通して

 私は事務所経田の代表として、講演や研修、カウンセリングなどに携わっています。ボランティア活動としては、音訳ボランティアとして声のお便りを届けたり、県民カレッジ自遊塾や日本交流分析協会で講師・インストラクターをしたりしています。また、当NPO法人キャリアネットワーク北陸の理事でもあります。

 年を重ねて、活き活きと暮らすためには、充実した時間を過ごすことが大切です。自分の時間を充実させる方法の一つは、自分の好きな時間を大切にすること。私にとっての好きな時間は、絵本に親しむ時間です。
贈ってもらって嬉しかったものの中に「絵本」があります。落ち込んでいた時に、友人が黙って持ってきてくれたのは1冊の絵本「よあけ」でした。中国の柳宋元の漢詩「漁翁」をもとに作られた絵本で、静かに夜が明けてくる時間を自分の心の中に感じることができました。少しずつ夜が明けるように、自分の中に生きるエネルギーが注がれてくるような、そんなイメージでした。

 ある時本屋で見つけた「大人のための絵本セラピー~絵本は心の処方箋~」(瑞雲舎)。この本に惹かれ、そして絵本セラピーを体験したいと思って東京で受講。私も絵本セラピーを広げたい、いろんな方と体験したい、と願って、絵本セラピストの資格を得たのは、2016年4月のことでした。

 現在、自分と自分の周りの人の笑顔の時間を増やすことを自分の使命だと考え、いろいろな活動を行っています。その中の一つが「絵本セラピスト」としての時間です。
「絵本セラピー🄬とは、絵本の力を借りて、ありのままの自分で交流できる安心安全な『場』を作る技術です」(絵本セラピスト協会HPより)

 伝えたいテーマに沿って絵本を何冊か選び、ワークを行います。例えば、「自分の身近な幸せに気づくと楽しい時間が増えますよ」「いろいろな見方がありますよ」「始めたいと思ったら、今がはじめ時」「何のために働いているの?」等々いろいろなテーマをセラピストが考えて、絵本を選びます。お互いを知る時間、お互いを尊重しあう時間、そして自分を掘り下げる時間を提案し、絵本を通して自分の記憶を想起したり、想像したり。それぞれが生きてきた価値観に、絵本を通して気づきます。同じ時間、同じ空間、同じ声で紹介された一冊の絵本。それを味わいながら、私たちはそれぞれ、感じること、考えること、イメージするもの・事柄が違うことに驚き、そして面白いなあと・・・。一人ひとり違ってみんないいを、私が実感した時間でした。

 自分と他者の違いを知り認め合うこと。そして、良い悪いの評価をしないこと。簡単そうで、なかなかできないことです。如何に私たちは普段評価の中にいることが多いのか、そして、ありのままの自分を受け入れてもらえることが、どんなに多くの喜びや安らぎをもたらしてくれるのか、私は絵本セラピーで実感できました。

 自分を元気にするために、そしてほっとした時間を届けるために、絵本セラピーの時間を届けていきたいと願っています。誰かをサポートできる自分でいるためには、まずは自分を元気にしていくことが必要です。そのためには、自身が楽しい時間を過ごすこと。楽しい時間は喜びを育て、笑顔を育てる時間だと私は信じています。

お勧めの絵本

*何のために仕事をしているんだろうと思ったら

すてきな三にんぐみ (偕成社)
トミー・アンゲラー さく いまえ よしとも やく

*発想の変換 なるほど!と思わず手を打ちたくなる

ぜつぼうの濁点 (教育画劇)
作 原田宗徳 絵 柚木沙野郎

*年齢を言い訳にしていませんか? 今からだって、何でもできますよ

だってだってのおばあさん(フレーベル館)
さく・え 佐野 洋子

*私のろうそくは何を照らしてきたんだろう そして何を照らしていくのだろう

あかり(光村教育図書)
林 木林 作 岡田 千晶 絵

*大人のための絵本セラピー~絵本は心の処方箋~

(岡田達信著 瑞雲舎)

ご参考までに
「絵本セラピスト協会」のホームページをご案内します。
https://www.ehon-therapy.jp

経田 博子(きょうでん ひろこ)

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