陽春の候、各地のお花見の賑わいに漸く心も弾むようになりました。
私は山本紀子と申します。キャリアネットワーク北陸設立以来の会員で、金沢市に住んでいます。コロナ禍の3年間はオンラインでの活動にしか参加できず、残念に思っています。
私は平成12年に産業カウンセラーの資格を取得しました。その10年後、日本産業カウンセラー協会北陸事務所の支援をいただき、有資格者の仲間と、「傾聴力向上」「協会の社会貢献」「自己実現」を目標として、「傾聴ボランティアグループ」を結成し、活動を始めました。『楽しく、無理せず、長続き』をモットーに、毎月の高齢者施設訪問や定期的全体会議のほか、テレビ出演や新聞・協会誌での広報活動、金沢駅での傾聴活動、自殺予防デーでの街頭キャンペーン、地域のイベントでの相談活動など、目標の達成を目指して参画してきました。コロナ禍で訪問活動が自粛中は、利用者様のことを思いやりながら、ZOOMを活用して、メンバーの自己理解を深め、傾聴力のスキルアップに取り組みました。
訪問活動では、今まで学んできた基本的な傾聴スキルに則り、高齢者施設の利用者様が話される気持ちや事柄に寄り添い、この方の生きてこられた人生を心から尊重し聴かせていただきます。別れ際の「また、来てね」という言葉は私たちへの嬉しい励ましになり、「傾聴ボランティアをしていてよかった♡」と熱い思いを胸に帰宅することも度々ありました。
この会を立ち上げたきっかけは、ロジャーズの人間尊重心理学に傾倒していた当時、恩師の「傾聴は一生ものだぞ!」と言われた真剣で誠実な姿勢に深く感動し、地元でも「傾聴の学習と実践活動ができないか」と考えたからです。活動場所の選定には、傾聴活動に限ることや、活動を楽しく継続するために、立地条件やハード・ソフトの環境面の快適さを重視しました。
「傾聴」は普段の生活の中にこそ生かされるものです。私たちは年齢や経験を重ねるにつれ、自分自身の考えを持てるようになります。それは大変喜ばしいことだと思っています。その上で人との交わりを通して何か疑問を感じたとき、最近私は次のような視点を基軸にしています。
・「権威的になっていないか(私は世界人口7,888,000,000人のひとり)」、
・「大もとを考えて見る(5W1Hなど)」、
・「肯定的に受容する(健康長寿・幸せにつながる)」です。
その根底には、自他に対する「人間信頼」があります。
コロナ禍の行動自粛が長引き、高齢者の認知症の進行も懸念される中、傾聴活動を通して学んだ「傾聴は一生ものだぞ!」を実感している毎日です。そして、これからもこの活動を続けていきたいと考えています。
山本 紀子
日本産業カウンセラー協会中部支部北陸事務所
傾聴ボランティアグループ
日本産業カウンセラー協会中部支部