一雨ごとに朝顔がほころぶ季節となりました。
皆さまこんにちは。金沢市在住の米澤典子(よねざわのりこ)と申します。
日本秘書クラブでの活動がご縁となり、キャリアネットワーク北陸のお仲間に入れていただきました。現在55歳、家業である茶と茶の湯道具の店舗経営を柱に、講師業と婚礼司会に携わっています。三者、業務内容も異なり、対する相手の年齢層も状況も様々ですが、私のなかでは、「伝える」という共通ワードが大きな幹となっています。店舗では、お客様にお薦めのお茶と美味しい淹れ方のコツを伝えることで日々の生活が豊かになってもらいたい。教育の場では、学生が社会に巣立つための必要なマナーを伝えることで自信をもって旅立ってほしい。披露宴では、列席者に新郎新婦のお人柄を伝えることで門出をお祝いしたい。日々の生活に感じるちょっとした幸せ、人生の節目となる大きな幸せ…それらのお手伝いが少しでも多く、より良くできたらいいなと思って暮らしています。
大きな幹の栄養剤となっているのは、産業カウンセラー講座、キャリアコンサルタント講座で学びを得た「傾聴」です。傾聴を学べた経験こそ、伝える姿勢を根本的に問いただした40代、人生の転機であったように感じています。
資格取得講座受講のきっかけとなった出来事は、12年前当時担当していた、就職支援研修7日目の最終日に相談された研修生からの言葉でした。
「先生、僕、中学校の卒業アルバムを燃やしたいんです。」
衝撃を受けた私は、咄嗟に何か言葉をかけなくてはと焦ったあげく、「そんなことしたらあなたも燃えてしまうから、卒業アルバム私が預かるよ」と言ってしまいました。それきり彼から次の言葉はかえってきませんでした。それまでもその場その場で、それなりに向き合うことはできていたかもしれないけれど、本当に相手の心に寄り添うことはできていただろうか?一人よがりの言葉攻めになっていなかったか?自問自答の日々でした。苦悩した末、最初はその答えを出すためにと受けた資格取得講座でしたが、傾聴スキルトレーニングでは、カウンセラー役の方に、自分を語ることで、過去から続く自分の心と対峙し、自己感情を知ることとなりました。これには苦痛が伴い、終わった後はぐったり寝込んでしまったほどです。志が同じ仲間と共に悩み考え、励まし合って過ごした数か月は、<答えは自分のなかにある><答えを出すには時間と勇気を要する><全てのことには理由がある>これら身を持って体験することができた尊い日々でした。そして12年前の研修生の彼は、きっと中学校の頃の話を聴いてもらいたかったのかもしれないな。。。と、私なりの答えが出せたようにも思いました。
以来、「あー今日はいい時間だったなぁ」と感じることが多くなりました。私と同年代らしき男性客が茶筅を買いにいらっしゃったのですが、色々と伺っているうちにお客様から「実は、脳梗塞を患っている母親の手首の運動のために使わせたいんです」と打ち明けてくださったのです。短時間の会話で生まれた、小さな気持ちの化学反応に感動するとともに、様々な用途での可能性も見出せたことは、今後のチャレンジすべきことへのヒントにもなりました。また、披露宴進行の打ち合わせが終わった後、「やっぱり〇○○〇の演出をやってみたいんです」とご新婦から本音メールが届いたときには、いい序章だったな~。ここから本当の打ち合わせが始まるな・・・と意欲が沸いてきます。
今年に入り、私は【観る将】になりました。将棋では勝負がついたあとに行われる感想戦があることを初めて知り感動しました。勝者は喜びを抑え、敗者は悔しさを押し殺して、互いに「最善手」を新たに考えるのだそうですね。正に今ここ!の見とり稽古をしつつ、自身の生活に活かすべく「最善手の伝え方」と自身の大幹ワードを更新しました。でもやっぱり本戦も盛り上がりたい。。。デスクの横に鎮座する知育玩具の将棋盤と入門書の出番はもうすぐ(のはず)。今年下半期の目標は、将棋のルールを覚えて駒を動かせるようになること!
これが今一番ワクワクしているチャレンジしたいことです。
米澤典子