松本会員ブログ:地域での活動を考える①~地域づくりにデビューしませんか~

 私は、南砺市の地域づくり協議会連合会の会長や公益財団法人南砺幸せ未来基金業務執行理事という役職を務め、長年にわたり、地域活性化・地域づくりのために奔走してきました。キャリアネットワーク北陸では、参与をしています。

今回は、南砺市での「小規模多機能自治」について紹介しながら、住民自治を考えてみたいと思います。

<序論>

人口減少が日本社会を覆い、今まで経験したことがない様々な課題に直面しています。何が起きているか。

  • 「人の空洞化」:若者・人財・後継者不足
  • 「土地の空洞化」:農地耕作放棄・空き家・商店街衰退
  • 「むらの空洞化」:コミュニティ・伝統文化祭りの崩壊・助け合い
  • 「誇りの空洞化」:その地に住む意味と誇りの消滅です。

高度成長期から50年、多くの農民がサラリーマンとなり、農業や家業を継ぐしばりから解き放され、学校教育は、一流の大学を目指し、一流の企業に就職して世界に羽ばたけと教え、日本社会の「義理人情」や「農村文化の結(ゆい)の精神」が崩れ、欧米型自己中心主義社会をひたすら走ってきました。

一番問題なのは「無関心」だと思います。自分の住む地域や隣近所や、政治や、故郷に独りで住む親のことに「無関心」になってきたのではないでしょうか。
マザーテレサさん曰く、「愛する」の反対語は憎しみではなく「無関心」だと。
社会の全てに「無関心」な人たちが多いことが、国の形を変質させています。
 
深刻なのは「行政システム」です。右肩上がりで肥大化した組織が、急激な人口減少で坂を転がり落ち始め、加えて、過度なまでに整備してきたインフラが50年を経過し、一斉に更新を迫られています。道路・橋・トンネル・公共施設・上下水道管・学校・病院などです。膨大な予算が必要となります。
 
平成の大合併をしましたが、複雑多様化した地域課題を、行政が全部処理することは不可能です。そこで、今全国の市町村で始まっている「小規模多機能自治」と呼ばれる、新しい「住民自治」が注目されています。
県内で唯一先行した私の住む南砺市は、誰一人取り残さない、安心して住み続けられる、「一流の田舎」を目指して、地域の課題は地域で解決するべく、行政に任せきりの「地方自治」から「住民自治」を始めました。自分たちの地域は、自分たちで話し合い、自分たちで取り組めることは自分たちで、補助金ではなく自由度の高い交付金で行う仕組みです。
今、全国各地から行政や住民組織関係の人たちが、その仕組みを導入・実行するために南砺市に視察に訪れています。
 
〈小規模多機能自治の紹介〉
簡単に概要を紹介します。
・介護予防のために住民が行う「ミニディサービス」
・再生可能な資源ゴミの回収事業
・市道の草刈り街路樹クリーンアップ事業
・老々世帯のゴミ出し・除雪などの生活支援
・敬老会の開催受託
・児童の土日や長期休暇の居場所事業
  などです。


 

 定年などを機会に、「無関心」から「協働・参加」へ、皆さんも「地域づくり」に今からデビューしませんか。しかも有償ボランティアです。自分がこれからも老後を住み続ける、地域を愛し、誇りを持ち、多くの住民と親交を深めながら心豊かな暮らしをするためにも。
 

●南砺市 大鋸屋地域づくり協議会ホームページ  ←「規模小規模規模多機能自治」の実践地域(会長:松本久介)
https://ogaya-kc.7104.info/

●南砺市地域づくり協議会(なんと未来支援センター)ホームページ
https://www.nanto-mirai.jp/

松本 久介

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