「キャリアネットワーク北陸」の皆さまこんにちは。私は、埼玉県から一般会員で仲間入りをさせていただいております保坂恭世と申します。
「キャリアネットワーク北陸」設立目的の、「ミドル・シニア世代が生き生き活躍するために学び、語り、歩き出すための場を提供します」という趣旨に賛同し、北陸在住ではないのですが会員になりました。
私は、現在「公益財団法人実務技能検定協会」で仕事をしております。内容は検定試験の実施運営です。文部科学省の後援を受けて「秘書検定」「ビジネス文書検定」「ビジネス実務マナー検定」「サービス接遇検定」の4種類の検定試験を行っておりますが、ご存じの方もいらっしゃるのではないかと思います。中でも秘書検定は今年で50年を迎えました。
今回は、「学び直し」という観点から「秘書検定」をご紹介したいと思いました。
私は秘書検定に出会ってもう40年になります。専門学校で秘書検定の指導を始めたのがきっかけですが、その指導者の研修会に初めて参加したとき、全国から参加している先輩方に素敵な人がとても多かった。生き生きとした雰囲気で明るくて、そして所作や振る舞いが美しい。話し方も言葉遣いがきれい。それでいてさっぱりとして嫌みがない。女性として見習いたいなと強く感じました。岡野絹枝理事長もそのお一人です。なぜこんなに魅力的な人が多いのか。それを知りたいと思い、検定協会の事務局に入りました。
そこで検定試験を深く勉強していくうちに、影響の源は検定問題の基本、コンセプトにあると気付いたんです。秘書検定には「秘書検定は人柄育成を目指しています」というキャッチスレーズが付いています。「人柄」とは、その人を見て周りの人が感じる印象ですが、「明るそうな人」「素敵な人」「とっつきにくそうな人」などと、いろいろな人柄があります。その人柄が、誰からも「感じがいいな」と思ってもらえる表現の仕方を検定問題の中で教えているんです。ですから、検定の指導をする先生方はお手本になるように自分を磨いているんだということが分かりました。人は、心の底から表現しようと思わなければ、周りの人には届きません。そしてこの努力をすることが人柄の育成になるんだと気付いたんです。
秘書検定は、名称は「秘書」ですが、試験内容は社会人としての基本的な常識や、ビジネスの場面での気遣いやマナーを取り上げている検定です。そこには、人として配慮することの大切さなどが盛り込まれています。まさに「人間力」を学ぶ検定だと思っています。
インターネット上に「日本の資格検定」という国家試験から民間検定まで、すべての検定を載せているポータルサイトがありますが、その中で、「就職に有利な検定試験」として「秘書検定」が上位で紹介されています。最近は、一度仕事を辞めた方が再就職のために受ける公的な職業訓練コースでも取り上げるところが多くなっています。検定試験の根本的なところが社会で認められているのだと思っています。
周りの人に「感じがよい人」と思ってもらうにはどのように接することが必要か。理屈では分かっていても意外にできない人が多い。素直に行動に移せる人は少ない。だからこそきちんと身に付けられたら素晴らしいと思うんです。ぜひ一度検定内容をご覧になってみてください。
なお、秘書検定は女性の方が圧倒的に多いのですが、サービス接遇検定については、サービス業、流通業に携わる男性たちも多数受験されています。
公益財団法人実務技能検定協会(東京都新宿区高田馬場)
保坂 恭世(ほさか やすよ)
※保坂会員は、30年来の友人で、現在、公益財団法人実務技能検定協会の理事長です。岡野