日々のコロナ感染拡大ニュースに不安を感じながら、季節は夏。8月となりました。
皆様には、「新しい日常生活」、いかがお過ごしでしょうか。
キャリアネットワーク北陸は、3月に次の事業を進める準備が整ったところに、コロナ禍で停止してしまいましたが、秋には、オンラインとリアルの両方で活動を再開することができるようになりました。
私事については、経済的な打撃を受けたため、老後の不安を感じることとなりました。老後の不安をなくするためには、「老後」をなくすこと。「老後」とは、「働く」ことをやめたときに始まる。「働く」とは、人生で積み上げてきた経験やスキルを活かして活動することである。と、ある本に書かれていました。
キャリアネットワーク北陸の使命は、理に適っている、と、改めて感じました。
とはいえ、このような社会状況の中、「希望」がなかなか見いだせなくなっている現実もあります。
「希望のつくり方」。この言霊(ことだま)を、今思い返しながら、自分に言い聞かせています。すばらしいメッセージですので、皆様にお伝えします。
「希望学(希望の社会科学)」は、東京大学社会科学研究所の玄田有史教授を中心として研究されてきました。
希望とは、大切な何かを行動によって実現しようとする気持である。
Hope is a Wish for Something to Come True by Action.
「希望」は、4本柱で成り立っている。
1. 大切な何か(Something) 2. 行動(Action) 3. 実現(Come True) 4. 気持ち(Wish)
そして、加齢とともに、選択の可能性が低くなり、希望が持ちにくくなるそうです。
しかし一方で、「希望」はつくることができると、玄田教授は、著書『希望のつくり方』(2010岩波新書)に書いていらっしゃいます。
☆希望のつくり方☆
(1)「希望に物語を持たせる」
希望というのは、実現しないことの方が多いもの。大切なのは、失望したあとに、辛かった経験を踏まえて次の新しい希望へと柔軟に修正させながら、また次の物語を作っていく。そして、新しい希望に向かって歩みだすこと。
(2)「ゆるやかなネットワークを持つ」
いつも会うわけではないけれど、ゆるやかな信頼でつながった仲間は、自分とは異質のものを持っている。だから、自分が知らなかったヒントをもたらしてくれる。自分にはできないことをできる人とのゆるやかなつながりがあって、お互いに頼み合える仲間を持つこと。
(3)「大きな壁にぶつかったときは、壁の前でウロウロする」
とにかく立ち止まらず、壁の前を行ったり来たりする。そうすると、小さな穴が見つかるかもしれないし、ヘリコプターが発見してくれるかもしれない。挫折を味わいながら、ウロウロする行動そのものに希望は宿る。
「老後」のない人生を送るために、希望をつくり、また修正し、ネクストステージへ進みましょう。
2020年8月3日 理事長 岡野絹枝