「キャリアネットワーク北陸」の皆さまこんにちは。私は今年入会しました広野雅子と申します。
今回は、「学び直し、リスキリング」がテーマですので、恥ずかしながら自分の足跡を書かせていただきます。ちなみに「リスキリング」とは、「re(再び)skilling(技能を習得する)」という意味で、「従来の業務に必要なスキルに加え、今後新たに必要となるスキルを習得すること」を指すそうです。
私は現在、65歳。2月には66歳になります。今は、認定心理士・公認心理師として、富山県内の小中学校でスクールカウンセラーの仕事をしていますが、ハローワークや大学、専門学院等で、就労支援やキャリア教育、他機関との連携業務をしてきましたので、計20年余りカウンセラーの仕事をしてきたことになります。
そこだけ聞くと、順調にキャリアを積んできたように聞こえそうですが、とんでもない数の転職を繰り返し、その度に「次はどうしよう。」と不安を抱えていました。
私は自営後、30歳を過ぎて初めて民間企業のパート事務員となりましたが、パート事務ではもの足らず「パソコンの資格」を取って人材派遣会社へ。その後安定を求めて情報処理関係会社の正社員として転職したものの、指を酷使し過ぎてドクターストップに。すぐに総務・経理として建設関係の会社に転職しましたが、数年後、不況のあおりで人員削減が行われ、その分仕事が増えて、家庭と両立できずやむなく退職。その間、簿記・パソコン・ビジネス文書検定・秘書検定・建設業経理事務士など、たくさんの資格を取得。その頃は、会社で指定する資格を取得すると、資格手当として毎月の給与に反映される仕組みもあったため、休暇や家事の合間に必死で取り組みました。
45歳からは公務の仕事に移り、公共機関のパソコンインストラクターの仕事に従事。その後、46歳からから60歳まで、冒頭のキャリアカウンセラーの仕事に従事。転職の度に「キャリアカウンセラー」、「2級キャリアコンサルタント技能士(国家資格)」、「ガイダンスカウンセラー」と、新しい資格を取得していきました
スクールカウンセラーに採用された後も、胸を張ってスクールカウンセラーと名乗るためにはしっかりと心理学を学ぶ必要があると考え、60歳で放送大学に編入。63歳で「認定心理士」、64歳で「公認心理師(国家資格)」を取得。放送大学卒業後の現在も、科目履修生として「心理学」を中心に学び続けています。
ここまでくると、資格マニアと誤解されそうですが、これらは全て、仕事に必要な知識やスキルを習得するために取得してきた資格です。転職回数が多い分、それぞれの職場で求められる知識やスキルが違うため、自然に資格が多くなってしまいました。
芸は身を助けると言いますが、これらの資格があることによって随分助けられました。
また数々の転職の際は、人との出会いやかかわりが何よりの宝でした。転職の度にその時の上司や同僚、関係機関や取引先関係の方々、そしてキャリアカウンセラーの友達など、周りの人たちからの助けや導きがあり、幸運にも間を置かずに次々と仕事を続けてくることができました。この方々の存在が無かったら、決して今の自分はいなかったと感謝の念でいっぱいです。
最後に、ある上司から教えていただいた言葉を、皆さまにお分けしたいと思います。
「人生は下りのエスカレータを逆に上っていくようなもの。何もしなければ落ちていく一方。同じスピードで歩み続けてやっとその場に留まることができる。もっと成長したいと思えば、駆け上がって次の踊り場に到達することだ。でもそこで満足していたら、いつのまにか後から来た人に追い抜かれ、自分が一番下になっている。現状維持は衰退と同じ。成長したければ、一生懸命に学び続けて上っていくことだ。」
受身ではなく主体的に新しい知識やスキルを学ぶ姿勢の大切さを教えてもらった言葉で、今でいう「リスキリングの大切さ」を教えてくださった言葉です。この言葉が皆さまの心にも届けば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
広野 雅子