深緑の季節、本当に緑色が美しい今日この頃です。会員の山田智子(やまださとこ)と申します。
5月には新型コロナウィルス感染症に関する行動制限が緩和され、引きこもりがちだった私も、少しずつ外へ出かけることが多くなりました。桜の頃はあちらこちらへお花見に出かけ、孫に引かれて久しぶりにチューリップフェアも楽しませてもらいました。
私は、10年前と昨年の2回、乳がんにり患しました。幸いなことに、いずれも早期発見でリンパ節への転移もなく、手術、放射線治療を受けて治療は終了し、現在は半年に1回の経過観察中です。昨年春の2回目の乳がんは、手術のみで治療が終了しました。ただ、コロナウィルスの感染が拡大していた時期でもあり、術後の免疫力の低下も考えられることから、感染予防を最優先にした生活を送っていました。乳がんになったことは、2回目とはいえどもやはりショックで、術後は体力と気力がなかなか戻らない状況が続いていました。
そんな状況の日々でも季節は廻り、春がやってきました。私にとってのこの春は特別な感じがして、花たちの赤や黄色が、木々の緑色がひときわ鮮やかに目に沁み入るのでした。自分が病後でうつむきかげんに過ごしていた間も、花は咲き、緑の木々は空に向かって枝を伸ばし、葉っぱはキラキラしていたんだ。自然の営みは変わらずに続いていて、自分も植物と同じように生きてきたことを改めて実感しました。
私はお花も好きですが、もっと好きなのは、長く生きている緑豊かな樹木なのです。
実は私には「こころの友」のヒマラヤ杉があり、久しぶりに京都へ会いに行きました。
それは大学構内のちょうど真ん中にあって、木陰は涼しくて、友人との待ち合わせの場所にもなりました。なんだか元気が出ないとき、この杉を見上げて、葉の揺れる様子を眺め、風を感じて、大きく息を吸うと木の香りに包まれるのです。自然と心が落ち着く場所でした。
卒業後も心がザワザワしたときに、この杉にどうしても会いたくなって、出かけたことがありました。
今年の5月、10年ぶりに会うヒマラヤ杉は、ちゃんとそこに居て、懐かしい友達に会えたみたいで嬉しかった。後ろに学生会館が建って背景は変わったけど、青空に向かってぐんぐん伸びて、木のてっぺんまでは15メートル以上の大きな樹木になっていました。
私は昔のように、思いっきり首を後ろに反らして木のてっぺんを見上げ、深く息を吸い込んでみました。本当に気持ちが良かった!!久しぶりの深呼吸。心地よさに包まれました。
ここのところの憂愁がすーっと消えた瞬間でした。
私たちが生きていくときにそっと支えてくれ、人生を豊かにしてくれる「こころの友」。
その人によっていろいろあると思います。友人、本、ペット、植物、音楽などなど…。
私の「こころの友」はまだまだありますが、続きは次回といたします。
皆さんの「こころの友」のことも、聞かせてもらえると嬉しいです。ブログ投稿お待ちしています。
山田 智子