NPO法人日本交流分析協会北陸支部の活動と「交流分析」

      野口喜美代

こんにちは、キャリアネットワーク北陸の理事をしている野口喜美代と申します。

私はNPO法人日本交流分析協会(以下協会と表記)に25年近く所属しています。こんなに長く学び続けても飽きない「交流分析」の魅力と協会の活動内容についてご紹介します。

「交流分析」とは、文字通り「交流」を「分析」して理解する体系的な心理学です。理解するのは自分自身、そして相手のことです。つまり「交流分析」とは、自己理解を深め、他者を理解することで、人間関係を円滑にする心理学です。ですから、家庭、職場、教育現場、地域など、私たちの生活の中のどこにでも活用することができます。

人間関係は、上手くいく人とは楽しい時間であり、心を豊かにしてくれますが、苦手な人とは苦痛でしかありません。その辛い人間関係を楽にする方法として活用できるのが「交流分析」で、辛い人間関係で悩みを抱えている人にとても有効です。といっても、人づき合いを円滑にするため、相手をコントロールする小手先のテクニックを学ぶものではありません。いくらハウツーを学んでも、辛い人間関係が良くなるわけではありませんから。

「交流分析」の目標は、「今・ここ」の自分に気づいて、変化し成長することで、円滑な人間関係を築き、充実した人生を送ることにあります。辛い人間関係は相手や環境のせいではなく、自分自身の問題としてとらえます。なぜなら、そうすることではじめて真の解決に向かうことができるからです。「交流分析」には、自己理解するための学びがいっぱい詰まっています。さらにどう行動すればいいかも示してくれます。

その理論は、

  • 人は誰でもOKである。
  • 人は誰でも考える能力を持っている。
  • 人は誰でも自分の運命は自分で決め、その決定はいつでも変えることができる。

という「交流分析」の哲学を基盤としています。この哲学を念頭に置いて学んでいくと、自分自身を「OK」にすることができ、自分らしい生き方につながっていきます。心も体も元気に、快適に過ごしたい方はぜひ学んでみてください。

ここまで読んでくださって、「交流分析」に興味を持たれた方はいらっしゃいますか?

実は、私は仕事(秘書教育)関係の研修会で「交流分析」に出会ったのですが、この学びに触れたとき、目からうろこが落ちるような大きな気づきがありました。当時は、東京へ出向いて時間とお金をかけて学ばなければなりませんでした。「交流分析」を近くで学べる仕組みを作りたいと思い、北陸支部設立に向け、キャリアネットの岡野理事長とともに活動を始めました。最初は東京から先生を招いて講座を開き、そのあと、学び続けたい人たちで勉強会を始めました。勉強会は無料で借りられる会場を探して、富山、新湊、小杉を転々としながら続けました。振り返ると、岡野理事長も私も若くて、楽しくエネルギッシュな時間を共有できました。この勉強会は、現在「TA研究会とやま」と名称を変えて、今でも継続しています。(「TA」は、交流分析Transactional Analysis の頭文字をとったものです。)

そして、2000年4月に、念願の北陸支部を立ち上げました。設立総会には、教育、看護、介護、ビジネス、主婦など、さまざまな立場の人たちが参加され、今でも支部運営に携わっている方もいます。翌2001年には、協会がNPO法人として認証を受け、全国9支部の一つとして現在に至っています。主な活動として、出前講座、各種資格講座、研修会や交流会などの開催、子育てや教育のサポート、職場改善の研修などを行っています。

興味をお持ちになった方は、協会北陸支部のホームページをご覧ください。                      https://ta-hokuriku.jp/

人間関係で悩んでいた私が、「交流分析」との出会いで、自分の性格も生き方も価値観も、実は、自分で選んできたのだと気づき、いつでも「選び直し」ができるという哲学によって、自分自身を受け入れることができました。

交流分析の前提に、「過去と他人は変えられない」という言葉があります。この言葉は「目からうろこ」の気づきとなりました。自分を変えることは、他人が変わることを望むよりはるかに生産的だということです。起こっているトラブルを自分自身の課題と考えてはじめて、自分の変化成長につながるのです。変化成長とは、より快適に生きることだと思います。

皆様、今起きている課題や問題を自分の成長のチャンスととらえ、気づきの心理学を学んでみませんか。「交流分析」がいつでも支援いたします。

   野口喜美代