柳原正年
※1回目のテーマ:「Z世代社会」を楽しむシニアの生き方革命
2025年、昭和はついに100年を迎えます。かつての昭和社会は、「みんな一緒に豊かになる」ことを目指し、同じ価値観を共有することが理想とされていました。高度経済成長期には、努力すれば報われるという共通の物差しがありました。しかし、今の時代はどうでしょうか?
現代社会は、Z世代の価値観が主流になりつつあります。彼らは「みんな違っていて良い」という考え方を自然に受け入れ、個性を尊重し、多様性を楽しむ文化を築いています。これは、昭和社会の「金太郎飴型」の均一性とは異なり、「桃太郎型」の社会へとシフトしています。では、このZ世代化する社会の中で、シニアはどのように生き生きと楽しめるのでしょうか?


まず重要なのは、「変化を楽しむ心」です。時代の変化を嘆くのではなく、新しい価値観を積極的に受け入れることで、シニア世代も新たな生きがいを見つけることができます。例えば、SNSやオンラインサロンを活用して、自分の経験や知識をシェアするシニアが増えています。これまでの「指導する立場」から、「共に学び、成長する立場」へと変わることが求められています。
また、「Z世代との共存」を意識することも大切です。彼らの価値観を学び、彼らと対話することで、視野が広がります。たとえば、若い世代の価値観を知るために、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームを覗いてみるのも良いでしょう。実際に、YouTubeチャンネルを開設し、趣味や生活の知恵を発信するシニアも増えています。
さらに、「新しい生きがいの創造」も大きなポイントです。かつての「老後は静かに過ごす」という価値観ではなく、シニア自身が「人生100年時代をどう楽しむか」を考える必要があります。たとえば、最近話題の「アクティブシニア」たちは、地域活動やボランティアに積極的に参加し、社会との関わりを持つことで充実感を得ています。
昭和100年を迎える今、シニアの生き方革命が始まっています。「みんな違っていて良い」というZ世代の価値観を取り入れながら、自分らしく人生を楽しむ。それが、これからのシニアの新しいライフスタイルなのです。
◎次回は、「シニアの異能を活かす新しい生きがい」について、具体的な事例を交えながら掘り下げていきます。
※Z世代とは、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代。インターネットやスマートフォンを日常的に使いこなすデジタルネイティブ世代。現在12歳~27歳前後の年齢層。
