プチセミナー

10月 プチセミナーの実施報告

    10月プチセミナー実施報告
    「絵本で学ぶ心理学 ~いろいろな見方~」

     

    日 時: 2025年10月25日(土) 13:30~15:00
    会 場: 富山県民共生センター サンフォルテ308号室
    講 師: 経田(きょうでん)ひろ子 氏 (事務所経田代表 キャリアネットワーク北陸理事)

    今回のプチセミナーは、「絵本で学ぶ心理学~いろいろな見方~」というテーマで開催されました。絵本という身近で親しみやすい題材を通して、心理学的な視点から「自己認知」「自動思考」「左右脳の働きの違い」を学び、絵本やグループワークを通じて“いろいろな見方”を体験しました。

    前半では、絵本セラピスト協会認定絵本セラピストⓇである経田講師から、「自己認知」や「自動思考」などについて説明があり、心理学者アーロン・ベックやデイビット・バーンズが体系化した「認知の歪み」と呼ばれる12の思考パターンが紹介されました。良い部分を無視して、悪い部分だけを強調してとらえる「マイナス化思考」や、相手の気持ちを勝手に決めつける「心の読みすぎ」(読心術)など、具体的な事例を交えた説明に、参加者の皆さん大きくうなずいたり、「わかる!」「あるある」などの言葉が聞かれました。

    後半は、グループワーク「他者から見た私」でした。4人が1グループになり、話し手が3分間話をした後、聴き手側がテーブル上にある「印象カード」を選び、話し手にカードを渡しながら、理由を伝え合いました。私がもらった6枚のカードは、「気配り」「独立心」「デリケート」「バランス」「常識的」「精神性重視」でした。意外な言葉に驚いたり、なんだか少し照れくさいような感じもしたり、他者の視点を通して自分の長所を再認識する時間となりました。受け取ったカードに書いてある言葉から自分の良いところを探し自分で育てていくこと、“自分が自分を認める”ことで、自己理解と自己肯定感を高めるプロセスが大切であることを学びました。初対面でも穏やかな対話の中で、お互いの感じ方の違いを尊重しながら意見を交わす姿が印象的でした。

     

    最後に、「ええところが一つもない」と悩む女の子が主人公の絵本『ええところ』から、自分の長所を増やすこと、どこを見るかによって見えるものが異なること、どのように表現するのか言葉選びが大事であることなどを学びました。

    • 本日の絵本
      『かんからかん』谷川俊太郎 ぶん/小森 誠 え  福音館書店
      『ええところ』 作 くすのきしげのり/絵 ふるしょうようこ  GAKKEN
    • 参加者の声(一部抜粋)
      ・楽しく受講させていただきました。自分を知る、自分が気づかない自分を理解して、それを強みにできたらと思います。
      ・楽しく受講させていただきました。3分間長いと思ったけど、意外と話せた自分に驚きました。自分の意外性を知り、他の皆さんからの自分に対する印象も分かって嬉しかったです。
      ・絵本とカードで、初めての方とお話しできました。時間は90分でしたが、濃い内容で、初めての方々でしたが、心の距離はぐんと近づいていました。楽しかったです。
      ・絵本を通じて、いろいろな見方があるということを学べました。他者から見た私で、お話を聴いていただき、みんなからフィードバックをいただけてうれしかった。絵本を読んでいただく機会はなかなかないですが、とても心がほっこりしました。
      ・絵本を取り入れた内容がとても良かったと思いました。自己肯定感を持ち続けていくこと、自己肯定感が低くなっても、絵本を見て、高めていきたいです。
      ・カードを選んで、皆さんの印象をお話しするのが面白かったです。くすのきしげのりさんの絵本はよく読んでいますが、『ええところ』は読んだことがなかったので、もう一度読んでみたいと思いました。

    記録:坂上牧子