「人生会議」を体験してみませんか
自分の願いを、伝えたい人に伝えるために
日 時:2025年8月24日(日) 13:30~15:00
場 所:サンフォルテ308号室
講 師:高田 由可子(たかた ゆかこ)氏(認定看取り士・生前整理アドバイザー・認知ケア専門士)
参加者:16名
今回のプチセミナーは、一見するとちょっと重そうなテーマでしたが、実際に体験してみるととても前向きで温かい時間でした。
テーマは「人生会議」。
もし、余命を告げられたら、自分にとって大切なことやどんなケアを受けたいかを、信頼できる家族や仲間にどう伝えるか---そんなことを考えるきっかけづくりです。
正直、「人生会議」という言葉を聞いたとき、私は少し身構えました。ところが高田講師から、厚労省が進めている、アドバンス・ケアプラニング(ACP)のお話を伺って、ふっと肩のチカラがぬけました。「元気なうちに、大事な思いを安心して話し合うこと」と分かって、ぐっと身近に感じられたのです。
その後は、カードを使ったゲーム形式の体験へ。35枚のカードには「大切にしたいこと」が1つずつ書かれていて、それをチーム内で拾ったり手放したりしながら、最終的に自分にとって一番大事な3枚を選ぶ、言わば“究極の選択ゲーム”です。
カードを選ぶたびに、「なぜ手放すのか、なぜ拾いあげるのか」をチーム内で話し、互いの考えを聞き合います。人それぞれに価値観や大切にしたい思いに触れることができ、共感だったり、自分とは違う視点に気づき、とても学びの多い時間となりました。
会場では、「余命数か月なんてあっという間に過ぎるわね」、「これも捨てがたい」、「それはもういいや」、「悩ましいねぇ」なんて声が飛び交い、笑ったり頷いたりするうちに時間は本当にあっという間に過ぎていきました。
参加された方の多くは、身近な人を看護や介護、見送った経験をお持ちで、その思いを胸にしながら、「自分はどうありたいか」を真剣に語っておられたのが印象的でした。
セミナーが終わったその夜、カードにはなかったけれど大切にしたいことがまだあると心に浮かびました。そして、おそらくこのカードゲームには続きがあるんだ!と確信しました。
現実には、家族や信頼できる人に自分の思いを伝えるのは簡単ではなく、話し出すタイミングは難しいものです。
けれど今回「終末期の自分がどうありたいか」を考えたことで、「生きている今やりたいこと」や「こんなふうに過ごしたい」いう前向きなイメージが湧いてきて、“やってみよう精神”が生まれました。
そしてなんと、この日は高田講師のお誕生日!最後はみんなでハッピーバースデーを歌い、笑顔いっぱいでお祝いして、和やかにクローズとなりました。
キャリアネットワーク北陸理事
城川 江里子