7/20 ゲストトーク&交流会「南砺市長 田中幹夫氏 特別講演会」実施報告
日 時 令和6年7月20日(土) 13:30~15:30
場 所 富山県民会館302号室
トーク&交流会 特別講演: 講師 南砺市長 田中幹夫氏
「誰ひとり取り残さない一流の田舎を目指して~小規模多機能自治の取組と展望~」
対談:南砺市長田中幹夫氏・南砺市地域づくり連絡協議会会長松本久介氏・経田博子
田中市長の「あきらめない!」熱い想いと、時代を見極める分析力があるからこそ小規模多機能自治が機能しているのだ、と感じたご講演でした。そして対談では、そこにプラスされた松本氏の「じゃあやろう!」と、積極的に協力し、組織化していく地域力のあるリーダーの姿が、田中市長から語られました。どのように小規模多機能自治が構想され、どのように実施されてきたのかについて、ときには漫才のように、ときには真摯に、語るお二人の関係性が見えた時間でした。
8つの町村が合併して今年20年となる南砺市。田中氏が市長となられたのは、合併して4年が経過したときでした。急激な人口減少や、過疎化の中で、安心して日常生活を送ることができる地域コミュニティの必要性を強く感じられた田中市長は、地域コミュニティを持続可能にするためには、住民が「自分ごと」として地域の課題に向き合うことが必要だと考えられました。地域づくりは、住民自治。住民が決めそして実践していく、自ら治める、そうすると自ずと治まる、それが自治。
現在、31の地域づくり協議会で小規模多機能自治が行われています。南砺市では、それぞれの地域の課題や困りごとなどを地域づくり連絡協議会で共有し、中間支援組織などと連携して地域を支援しています。
8つの町村が合併した南砺市、地域によって課題はさまざま。だからこそ、住民自治が活きてきます。地域づくり連絡協議会会長でもある松本氏は大鋸屋在住です。雪深い大鋸屋地域では、一人暮らしや高齢者のみの世帯が増え、最優先課題は、除雪のサポート。除雪サポート事業に取り組んだ経過など詳しく伺いました。
今後は、全世帯型包括支援「断らない相談支援チーム」を設置していくという南砺市。「誰ひとり取り残さない一流の田舎を目指して」、小規模多機能自治の取組が、地域の人たちの繋がりを再構築し、一人ひとり「自分ができること」を引き出していく、自覚し目覚めていくように感じました。
「自分のハッシュタグ#について考えてほしい」。田中市長が最後に告げられた言葉です。自分にどのようなハッシュタグ#を付けるのか、課題をもらった時間でした。
自分のできることを見直し、誰かの役に立つ自分を活用していく場を設けることで、自分の幸せ感も高まります。今後は自分たちの地域だけではなく、若い方やいろいろな団体の方と連携して、より広く多くの方とつながり協力していくことが、小規模多機能を続けることに繋がると思います。
記録:経田博子
※スライド資料ダウンロード
〔参加者感想より抜粋〕
・協働の重要さを再確認することができました。
・後半の100年時代の生き方が参考になりました。
・事細かく親切に講義されました。市長さんと松木さんのディスカッションとても良かったです。
・幸せになるためのマインドセットや自分が社会の中で役に立つためにやりたいことの解像度が少し上がった
感じがして良かった。
・住民自治のパワー 自ら治める 自ずと治まる←住民一人ひとりの意識改が必要。
田中市長、力強くてひきこまれました。松本会長すてきでした。
・小規模多機能自治について、地域として何を目指しているのかが明確に残った。
・田中市長のわかりやすい話、その後のフリートークもスムーズでよかった。
・富山市某自治振興会をあずかっている身ですが、小規模多機能自治が参考になる部分が多くありました。
・南砺市の活動状況が理解できた。全体像は分かったが、特に重要な事項についてじっくり説明いただける時間があったらもっと良かったと思う。若い人達にとって魅力ある街づくりなど(どうしても年輩者が中心の社会活動に思えてしまう。)
・自ら治める、自ずと治まるの言葉に尽きると思いました。公共民の協力で地方を考えてみようと思いました。